【第6回参加者インタビュー】プログラムが好きな人たちとプログラムだけに集中して取り組んだ、かけがえのない3日間

2024年10月5日(土)〜10月15日(火)にかけて、「第6回ソニックガーデンキャンプ」が開催されました。

ソニックガーデンキャンプは無料のオンラインプログラミング合宿です。

キックオフまでの約4週間は、自身の習熟度に合わせてRailsチュートリアルを中心に、Ruby on Railsを個々に学習します。第5回までは、2週間でRailsチュートリアルをチームで学習した後、2週間でオリジナルアプリをオンライン上でチーム開発するという流れでしたが、第6回となる今回は、初の試みとして軽井沢の宿泊施設での2泊3日のリアル開発合宿を行いました。寝食を共にしつつ、お互いに励まし合い、切磋琢磨しながらアプリ開発に取り組み、最終日の翌日にはソニックガーデンのプログラマたちの前での発表会に挑むことができました。

合宿期間中は、キャンプを運営するソニックガーデンのプログラマを開発メンバー兼メンターとして各チームに配置。開発や進め方やふりかえりの方法の指導、学習・開発の質問対応・アドバイスも行います。

第6回の参加者は5名。2チームに分かれての開発となりました。今回は作業通話アプリ「Pomocall」を開発したチーム「バリアブルズ」の2名にインタビュー。

なぜソニックガーデンキャンプを選んだのか、合宿の様子やプログラム開発への思いなどについて感想をいただきました!


<参加者紹介>

名前 / 学生or既卒 / 参加時のプログラミング歴

  • takaho(文系学部 4年生/5年前から独学で学習中 実務経験約1年)
  • aoki(既卒 1年目 / 情報系学部の頃から5年間学習中)

  • −−
    まず最初に、ソニックガーデンキャンプを知ったきっかけ、参加しようと思ったきっかけを教えてください。
    takahotakaho
    現在大学生で、エンジニアのアルバイトをしてます。大学の専攻自体は、全然プログラミングと関係のない分野です。プログラミングは独学で勉強していたので誰かと一緒にチーム開発してみたいなという気持ちがありました。

    そんな矢先に、Railsガイド(※)にキャンプのバナー広告が掲載されているのを見かけて「参加したい!」と思ってすぐに申し込みました。

        ※Ruby on Railsに特化した大型リファレンス。詳しくはこちらから。

    aokiaoki
    今はフリーでアプリ開発をしたりしています。僕もプログラミングに関してはずっと独学で、周りに同じような人がいなかったんです。takahoさんと同じくRailsガイドのバナー広告を見かけて、合宿形式で一緒に開発ができるとあったので、ぜひ参加したいと思いました。
    −−
    合宿前に、任意の事前学習期間がありました。その期間をどういうふうに過ごしましたか?
    takahotakaho
    事前学習の内容としては、Railsチュートリアルを履修して、次の段階に進める人はミニブログを作るというものでした。僕はRailsチュートリアルを一度履修していたので、そこはスキップしてミニブログを作って、終えたらHotwireとか、Rails周辺の知識をまた勉強して…という感じで過ごしていました。
    −−
    じゃあもう準備万端でしたね。
    takahotakaho
    と、思ってたんですけど、実際は使うと思ってなかった知識が必要になったり…ということもあって、全然準備万端じゃなかったです(笑)。
    aokiaoki
    僕もRailsチュートリアルを終えて、ミニブログまで作るコースでした。本当はそれ以上のことをやろうとしてたんですけど、思ったより進みが悪くて、ミニブログを完成させたところで事前学習期間終了でした。
    −−
    事前学習の期間は、参加者同士の交流はあったんですか?
    takahotakaho
    そうですね。任意参加だったので、そのときどきでメンバーはまちまちでしたけど、みんなでオンラインで集まって、1〜2時間勉強するっていう。黙々と手を動かしている日もあれば、お互いに分からないところを聞き合ったりして雑談する日もあるって感じでしたね。ね、Aokiさん。
    aokiaoki
    うん、そんな感じでしたよね。「合宿始まったら何作ろう」みたいな会話とかしてました。お互いに何となく面識ができてから、実際に合宿で顔を合わせるという形だったので、あの時間があってよかったなと思ってます。
    −−
    2泊3日、キャンプで過ごしてみて、最も収穫だったと思うポイントはどこですか?
    takahotakaho
    身を置く環境というのはすごく大事なんだということを再認識しました。最初に言ったとおり、僕は大学の専攻が情報系ではないので、身の周りにプログラミングをしてる人が全然いないんです。だからずっと1人で開発していました。今回初めて「開発が好き」っていう人に囲まれて3日間を過ごして、そういう環境で開発をするっていうのはすごく気持ちがいい、快適なことなんだなと。もちろん触発されるものもたくさんあって、自分って全然分かってないことだらけだなっていうのもあらためて認識できて、それが「もっと勉強しなきゃ」っていう気持ちにもつながりました。プログラミングに気持ちが向いている人たち、同じ方向を向いている仲間と一緒に過ごせるのはすごく良い体験だったと思っています。
    aokiaoki
    自分自身が、思っていたよりずっと長い時間プログラミングし続けられるんだ、ということがわかりました。合宿中は、本当に1日中プログラミングしてるんですよ。やっぱり家で1人でやっていたときは、ゆるくなっちゃうというか、数時間やってちょっと休憩して、数時間やって、みたいな感じだったんですけど、キャンプの間はずっと走り続けられました。一切苦痛を感じずプログラミングを純粋に楽しめたっていうのが、一番収穫ですね。
    −−
    合宿中は1日中開発している、とAokiさんがおっしゃっていましたが、タイムスケジュールはどんな感じだったんですか?
    takahotakaho
    始まりと終わりの定時があってそれが区切りですけど、それ以外は基本的に自由でした。でもそれぞれ定時の前後も、勉強したり開発を進めたり、何かしら手を動かしてる状態でしたね。メンターの方が2チームに1人ずつはりついてくださってて、あと、他にソニックガーデンの社員の方々がご飯作ってくださったり、必要なものを買い出ししてくださったりとか、そういう身の回りのお世話をすべてやってくださって、それがあってこそのあの空間でした。
    −−
    外に出かけたりする時間もあったんですか。
    takahotakaho
    ありました、ありました。朝の散歩とかしましたよね。
    aokiaoki
    しましたね。ちょっと観光っぽく散策したりして。
    takahotakaho
    それも楽しかったです。
    −−
    合宿の大きなテーマはアプリ開発でした。これまでにチームでアプリ開発をした経験はありましたか。
    takahotakaho
    一応あります。就活の時に、学生5人くらいでインターンとしてアプリを作るということがありました。2週間くらいかけて、オンラインでちょっとずつ分担して作る、みたいな感じで。あとはアルバイト先でやってることもチーム開発と言えばチーム開発ですかね。でも、どちらもキャンプでやったチーム開発とはかなり様相が違います。
    aokiaoki
    僕は全く経験がありませんでした。1人でissue立てて、プルリク出して、レビューしてっていうふうに管理して開発してみるというのはやっていたんですが…。
    −−
    えっ、すごいですね。
    takahotakaho
    Aokiさんすごいんです。Gitも使いこなしてるし、いろんなこと教えてもらいました。
    −−
    良いチームだったんですね。キャンプ中の印象的なエピソードがあれば教えてください。
    takahotakaho
    定時外の時間でも、みんなずっと開発してたのが印象的でした。運営されてる社員の方とかメンターの方とか、大体夜10時ぐらいには部屋に帰って就寝、みたいな感じだったんですけど、参加者は全員日付超えてもずっとパソコンにはりついてました。ノルマがきついとかじゃなくて、とにかく楽しくてそうしてたんですよね。個人個人で課題を見つけて、明日スムーズに作業できるようにいろいろ勉強したり調べたりしてて。熱い空間だなって思いました。
    aokiaoki
    僕も一緒です。みんなが同じ目標に向かってる、その独特な雰囲気がすごく楽しかった。あと、例えば自分でソフトウェア作ってます、プロダクト作ってますって話をすると、非エンジニアの人からは「それって儲かるんですか?」って聞かれることが多いんです。でもこの環境だと「何使ってるの?」「どうやってるの?」って技術の話になる。それがすごく嬉しくて、印象的です。
    takahotakaho
    確かにエンジニアの人と話すときは技術の話になるけど、そうじゃない場合はお金の話になること多いですよね。わかるー!
    −−
    同じ目線で話ができるのは楽しいですよね。
    takahotakaho
    コミュニケーション取りながら一緒に作るってすごくいいですよね。アルバイト先での開発の場合は、修正箇所とか追加機能とか、要件が既に確定してアサインされて、それを実装するだけなので、コミュニケーションの取りようがないんです。でもキャンプみたいにゼロスタートで、何を作るか、どう作るのかも全て話し合ってやっていくんで、コミュニケーションの大切さも知りました。自分が想像してるアプリのイメージが、みんなと同じかどうかを口に出して擦り合わせる時間がすごく大事で。だから今回は合宿って形で、細かいことをすぐに相談できるのがよかったです。
    −−
    キャンプではメンターからコードレビューを受ける機会があったと思うんですが、いかがでしたか? コードレビューを受けた経験ってそもそもありました?
    takahotakaho
    アルバイトでは毎回コテンパンにレビューされてるんです…。だから一応経験はあります。今回キャンプで受けたレビューだと、コードの細かいところを修正していくというよりは、必要な機能をきちんと実装していくことに注力してた印象です。より実践的というか。
    aokiaoki
    初日にこの本を貸していただいたんです、「コードレビューで学ぶ Ruby on Rails(※)」。ここに載ってるものと同じようなことをたくさん言われました。よくあるアンチパターンを踏みまくってるんだなって(笑)。すごく勉強になりました。良書です。

        ※運営会社であるソニックガーデンの社員3名が執筆した技術書。詳しくはこちらから。

    takahotakaho
    これ、本当に名著です。メンターの方はすごく優しくて、こちらの意図にもすごく耳を傾けてくれて。きっと作り方なんかも微妙だなってことがたくさんあったと思うんですが、完成までの道のりも考えてバランスよく指導してくださってるのがよくわかって、楽しく学べたなと思っています。
    −−
    ふりかえりやタスクばらしなど、ソニックガーデンの流儀のようなものも、日々の活動に取り入れられていたと思います。そのあたりはいかがでしたか?
    takahotakaho
    今まで「ふりかえり」って言ったら、大学の授業でのリアクションペーパーぐらいしか経験がありませんでした。それと一緒にしちゃいけないような、もっと有意義なものだったなと思っています。

    ふりかえりにフィードバックして終了、じゃなくて、もう一段深掘りしてくれたりだとか、もっとクリティカルなフィードバックをしてくれるんです。そのもう一つ深い理由みたいなものを皆さんが指摘してくれる、それがすごく気持ちよかったです。

    aokiaoki
    僕も、リアクションペーパー的なものを経験があったんですが、キャンプでのふりかえりはさらに一歩踏み込んだものでした。「◯◯がダメでした、できませんでした」に対して「ここが悪かったね」って原因を探すじゃないですか。そこから「本当にそれが悪かったのかな?」ってもう一度振り返るような、そういう踏み込み方をするんです。これが衝撃でした。そもそもふりかえりの習慣がなかったというのもあって、ものすごい刺激的な経験になりました。
    takahotakaho
    あと「それって問題なの?」っていうツッコミも新鮮でした。一段階抽象化して、他の部分にも生かせるふりかえりにするという考え方も多くて。実際に手を動かすところだけじゃない、見る、考えるというところもおろそかにしないところも勉強になりました。
    −−
    では、これからソニックガーデンキャンプに参加する人、参加したいけど少し迷っている、というような人に向けて、メッセージをお願いします。
    takahotakaho
    もし、自分の実力や経験に自信がない、参加しても足手まといになるかもしれないという不安を感じているんだとしたら、わからないことが多ければ多いほど得るものが大きいのがキャンプなので、参加しない手はありません、と言いたいです。本当についていけないレベルだったら、事前課題で落とされるだろうし、それも含めて勉強になることだらけなので、ぜひ。未経験者がチーム開発を経験できる機会は本当に少ないです。ソニックガーデンキャンプ、おすすめします!
    aokiaoki
    僕自身が、そもそも参加しようかどうか、だいぶ迷ったんです。そんな経験から言うと「とりあえず参加した方がいい」です。本当に参加してよかったなって思ってます。
    takahotakaho
    スキル的に不安を感じてたんですか? Aokiさん全然実力に問題なかったですよ。僕、すごくたくさん教えてもらいました。感謝してます。
    aokiaoki
    スキル的な不安も感じてたんですけど、仕事しながら参加するのは難しいかなと思ってたんで…。大学を卒業するギリギリまで参加を迷って、実は新卒で決まってた会社を蹴って参加したんです。
    −−
    すごい選択をしましたね。
    aokiaoki
    本当に悩んでたんですけど、今だとキャンプに専念してよかったと思っています。現在はフリーでアプリ作ったりして暮らしてます。
    −−
    キャンプの経験がそんなふうに生きるとは、運営としては感無量です。これからもお二人にはずっとプログラミングを続けていってほしいです。本日はどうもありがとうございました!

    インタビュー・執筆:土佐光見

    シェアする

    BLOG

    ブログ